三浦知良
“キングカズ”こと三浦知良選手。
日本サッカー界のレジェンドであり、今なお現役選手であり続けています。
選手としての実績はもはや説明の必要はありません。
そして彼は時に、勇気を与えるような伝説的なスーパープレーも見せてくれます。
阪神淡路大震災や東日本大震災でのチャリティーマッチでは、
希望を失いかけていた日本に勇気をもたらすスーパーゴールを決めてくれました。
そんな三浦選手は、人知れずある養護学校の子供たちとサッカーをしていたそうです。
ハンディを背負った子供たちに、喜んでもらいたくてしているのか。
それとも・・・。
そんな三浦選手に、
「人気取りですか?」 と質問した記者がいたそうです。
養護学校の子とサッカー
「サッカーの三浦知良が養護学校の子供たちと度々会っている」
そんな情報がある新聞社にもたらされました。
こういった施設に有名人が訪れる場合、事前にマスコミ各社には情報が入ります。
なので、現場には各社のカメラマンや記者たちが押し寄せることになります。
ところがこの記者さんがその施設に行ってみると、マスコミ関係者は自分一人だけでした。
「ガセネタか?」
やや不安に思った記者さんでしたが3日程たったある日、
スポーツカーに乗った三浦選手が本当に養護施設にやってきたのでした。
これはガセネタではなく、貴重な独占情報だったようです。
やがてジャージに着替えた三浦選手が、サッカーボールを持った子供たちと中庭に出てきました。
もちろん子供たちの中には重度の障害がある子もいます。
それでも子供たちの瞳は輝いて、真剣そのものでした。
倒れてしまっても何度も起き上がって、泥んこになりながら三浦選手やボールを追いかけます。
人気取り?
サッカーを終え、施設を出ようとする三浦選手に子供たちは全員で手を振りました。
そんなみんなに三浦選手も手を振り返し、
「今日もみんなありがとー!」 と叫んでいたと言います。
こういった施設に有名人や政治家が訪れる目的の中には、
好感度アップのためと思われることが多々あるようです。
そこで、この記者さんも三浦選手に駆け寄ってこう質問してみました。
「カズさん〇〇新聞ですけど、こういう施設にきて子供たちとサッカーをしてあげているというのはやはり好感度とか人気取りなんでしょうか?」
三浦選手は少し驚いた様子だったそうです。
恐らく、質問内容があまりにも予想外だったため、意味がすぐに分からなかったのかもしれません。
意味が分かっても、意地悪でカチンとくる内容です。
しかし三浦選手は冷静に微笑ましく、こう答えたといいます。
「僕が彼らに何かをしてあげてるって?逆に僕が何かをもらっているようには見えなかったかい?」
そう言い残して三浦選手は去っていきました。
記者さんは自分の意地悪さを少し反省したようで、自分が撮った写真を見てハッとしたそうです。
その写真に写っていたのは、子供たちと三浦選手の満面の笑顔ばかりだったそうです。
真のスターとは、その行動の一つ一つが素敵ですよね。