出産は時として、母子ともに危険な場合があります。
その時父親はただ、分娩室の外で待つだけです。
「いつ、生まれるか?かあちゃんは大丈夫か?」などとと悶々と思いながら・・・。
今回は、ある夫婦の出産時に起きた心温まるお話をご紹介します。
奥さんからの手紙
出産を終えた奥様は、旦那さんへ手紙を送りました。
そこには旦那様に対して感謝の気持ちが綴られていたのです。
旦那様は子供好きで子供が生まれてくるのを楽しみにしていました。
「お前より、子供が1番」とよく奥様に言ってたそうです。
過去に流産をしました。
旦那様が子供を欲しがってるのがわかっていたので、聞き流していました。
当時出産中の奥様は、お子さんと共にとても危険な状態でした。
帝王切開で赤ちゃんを無事に出産。
赤ちゃんを取り上げた看護師は旦那様に、
「抱っこしますか?」と尋ねました。
今だ奥様は意識不明の状態です。
「あいつの意識が戻ってから抱っこします。」
旦那様は奥様に対して、抱っこを遠慮したのです。
以下、手紙の原文です。(出典:Facebook)
旦那へ。
お母さんから聞いたで。出産の時、30時間の陣痛のあげく子癇発作で意識がなくなった、私。
お医者さんが、「母子共に危険な状態」って言ったら、迷わず、「母親の命を優先してください」って、お医者さんに頭下げてんてなぁ。
10ヶ月間、「宝物」って名前つけて楽しみにしてた子やで?
「子供が産まれたら、一番目は子供。お前は二番目に降格やなぁ」って、嬉しそうに言うてたやん?
意識不明のまま、緊急帝王切開。子供が先、無事にとりあげられて、看護婦さんが「お父さん、抱かれますか」って聞いたのに、「あいつが助かってから、一緒に抱きたいんで、今はいいです」って断ってんてなぁ。
「抱いた重みで、父親になった実感がわいてくるんかなぁ」って、抱き真似しながら言うてたやん?
あとから、なんですぐに抱っこしやんかったか聞いたら、「あれは、願掛けみたいなもんやった」って…
退院の日、看護婦さんから聞いたで。半日ほどたって、私の容態が安定した事伝えたら、トイレから泣いてる声が廊下にも
聞こえてたって。看護婦さんみんなに、「いい旦那さんやね」って言われたよ。あんたが泣いたんは、結婚式と、流産した時と、今回。
「男は泣くもんじゃない」って、いつも言ってるのに、私の事では、泣いてくれるねんなぁ。
普段は、優しい方ではないし、口も悪い旦那。でも、ほんまに困った時は、絶対に助けてくれるから、いざって時、一番に頭に顔が浮かびます。
いつも、きつい冗談で泣かされてばかりやけど、調子狂うやんか。
でも、これで、一生分くらいならついていけるような気がします。
絆は、目に見えないものやけど、ほどけない絆が出来た日は、この日やと、私は密かに思ってます。
夫婦の強い絆
旦那様は、奥様の前ではかなりの泣き虫で亭主関白のようですね。
半ば奥様に飽きられながらもやはり奥様が危険な時になったら、前に出て奥様を守ろうとします。
そんな旦那様を温かく見守る奥様は、出産を機に思ったそうです。
「夫婦の強い絆」を密かに感じたのでした。
奥様は、最高の幸せ者ですね。
夫婦関係は、お互いが自分の一生をかけて築き上げるものです。
どちらかが強すぎてしまったり、弱かったりしたら、信頼関係がその場で崩れてしまいます。
夫婦の強い絆が、強ければ強いほど家族の絆が強くなっていくのです。
「父親が子供のためにできるもっとも大切なこととは、母親を愛すること。」という言葉があります。
今度は子供もいます。
今回の出産でこの夫婦は、改めてお互いの存在を意識しました。
どうこれから家族が変化していくかわかりません。
きっと家族で、人生の荒海を乗り越えていくことでしょう。