芸術の都フィレンツェ
舞台は芸術の都、イタリアのフィレンツェです。
地元の路上ミュージシャンたちが、日々美しい音色を響かせています。
その日も路上ミュージシャンたちはセッションを開始しようとしていました。
その時、ふいに1人のアジア人青年が
「自分もセッションに加わりたい」 と言ってきたのです。
見ず知らずのアジア人の突然の頼みに不信感を抱きながらも、
地元のミュージシャンたちはOKしました。
その後、実に驚くべき光景が芸術の都で繰り広げられたのです。
こちらのミュージシャンたちも今からセッションを始めようとしていました。
そんな時、ふいに1人のアジア人青年が現れ、こんな頼み事をしてきました。
「コントラバスを弾けるので、僕もセッションに参加してもいいですか?」
余程腕に自信があるのかはたまた興味本位なのか、
いきなり飛び入り参加を希望するこのアジア人青年にミュージシャンたちは驚きました。
不審に思いつつも承諾し、セッションが始まります。
完成されたメロディー
ミュージシャンたちは彼にひとまずコントラバスを貸出し、少しだけ演奏させてみることにしました。
するとどうでしょう。
アジア人青年は美しい音色を奏で始めます。
その腕前にミュージシャンたちの目の色も変わり、青年に興味を持ち始めます。
テンポを確認しあっていざセッションスタートです。
コントラバスのメロディのはとても綺麗で美しく、
即興とは思えない完成度に道行く人たちは驚き足を止め、ミュージシャンたちも目を丸くします。
アジア人青年のあまりの腕前に、
バイオリンを弾く男性も思わず椅子から腰を上げ、青年に向かって演奏します。
音楽で彼らは一体になったのです。
そして4分半程の素晴らしい演奏が終わると、見物客からは大きな拍手が巻き起こりました。
ミュージシャンたちも青年と握手を交わし、満足気な表情。
皆が笑顔になりました。
青年の正体
突然現れ、美しいコントラバスを演奏し路上ミュージシャンと心を通わし、
見物客たちは写真を撮影し出すほどの注目を浴びたアジア人青年。
実は韓国で、プロのコントラバス奏者として活躍している人物だったのです。
この時は3弦のコントラバスで、普段は4弦を演奏している事から少し苦労したとの事です。
苦労を感じさせない素晴らしい演奏です。
それでは、その素晴らしい演奏をこちらの動画でご覧ください。
全く見ず知らずの他人だった人たちがいきなり参加した青年によってひとつになり、
素晴らしい演奏を生み出した今回のストーリー。
芸術の都で起こった出来事が、芸術になった瞬間でした。