お釈迦さまと言えば仏教の開祖ですが、
あまり詳しくお釈迦さまのことを知っている人は少ないのではないでしょうか?
お釈迦さまが多くの人から尊敬を集めていることに嫉妬した1人の男が、
お釈迦さまを陥れようと罵詈雑言を浴びせます。
この時、お釈迦さまはどんなことをしたのでしょうか?
お釈迦さまに嫉妬
お釈迦さまが多くの人に慕われている姿を見て、嫉妬した男がいました。
男はお釈迦さまがなぜ多くの人に慕われているのかわからず、
お釈迦さまのことをいまいましく思っていました。
男はお釈迦さまに、目に物を見せてやるためにと、
お釈迦さまを上手く陥れる方法はないか常に考えていました。
そんなある日、
男はお釈迦さまがいつも同じ道を散歩していることに気がつきました。
そこで、男はお釈迦さまが散歩に来るのを待ち伏せて、
周りに多くの人がいるなかでお釈迦さまを罵しろうと企みました。
たとえお釈迦さまでも、誰かに罵しられれば汚い言葉で返してきて、
結果多くの人からの尊敬を削ぐことになるだろう、という考えでした。
お釈迦さまの行動
お釈迦さまが散歩に来るのを待ち伏せた男は、
お釈迦さまが来たのを見てお釈迦さまの目の前に立ちはだかりました。
そして男はお釈迦さまに対して、
これでもかと汚い言葉で罵りはじめます。
しかし、お釈迦さまはこれに対して何か言い返すわけでも無く、
ただ黙って男の話を聞いていました。
そばにいた弟子は見るに耐えなくなり、
悔しくはないのですかとお釈迦さまに聞きました。
しかし、それでもお釈迦さまは何も言わず、黙って男の話を聞きました。
やがて、男は言い疲れてその場にへたり込んでしまいました。
そしてお釈迦さまは男にこう言いました。
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、その贈り物は一体誰のものだろうか」
男はこれに対して
「そりゃ言うまでもない。相手が受け取らなかったら、贈ろうとした者のものだろう。わかりきったことを聞くな」
と言いました。
贈り物は誰のもの?
男はそこでハッとしました。
そして、お釈迦さまは続けてこう言うのです。
「そうです。今、あなたは私のことをひどく罵った。でも、私はその罵りを少しも受け取らなかった。だからあなたが言ったことは すべて、あなたが受け取ることになるんだよ」
普通の人であれば、
誰かから罵しられたり汚い言葉を吐かれたりしたら、
怒って当然だと思います。
しかし、お釈迦さまはあえてそういったことをせず、
黙って男の話を聞きます。
否定をするわけでもなく肯定をするわけでなく、
ただ黙って男の話を聞くだけです。
そしてここで重要なのは、男に言い返すことで否定するのではなく、
逆に黙って相手に考えさせる余地を与えたことでしょう。
最後にお釈迦さまが言った一言も、
相手自身に考えさせる余地を与えるためのものです。
私達は、誰かから悪口を言われると反射的に言い返してしまいがちですが、
ぜひこのエピソードを参考にしてみてはいかがでしょうか?