子供は時として親の言う事を聞かず、突然怒り出すことがあります。
子育てをすれば、必ず向き合わなくてはならない問題です。
そんな中ある母親が、
自分の子供がご飯を食べてくれない事に悩んでいました。
母親には3歳半の長男と1歳になったばかりの次男がいます。
食事の時は次男に手がかかりっきりで、
長男に構ってあげることがなかなかできずにいました。
そしてある時から、長男がこんなことを言うようになったそうです。
「ごはん食べたくない!!たろう、おかし食べる!」
たろうとは長男の名前です。
いつの間にかご飯をろくに食べず、
お菓子ばかりを欲しがるようになったのです。
それに対して母親は困り果ててしまいました。
するとある日、父親が長男を呼び出し、
ある一言を口にしたら長男は泣き出しました。
そして長男の思わぬ本音が、
逆に父親の胸に刺さることになったのです。
3人の夕食
その家族の父親は仕事のため、
夕食の時は母親と息子たちと3人で食べます。
1歳になったばかりの次男は、
まだ手づかみで食べることしかできなく、
母親はいつも次男の傍に座って見守っています。
その日は父親がいつもより早く帰宅し、
息子たちは大喜びでした。
しかししばらくして、
ご飯の半分も食べていない長男がアイスを食べたいと言い出しました。
母親は次男がまき散らかしたお米と、
汁物の処理に気を取られているのか、
長男の発言をあまり深く受け止めてあげませんでした。
それを見て父親はソファへ移動し、
長男を自分の膝の上に座るように呼びかけました。
長男はしきりにアイスを取りに行こうとしたがりましたが、
父親はそれをさせません。
長男は仕方なく父親の膝に座りました。
最初はアイスが食べられないと怒ってばかりでしたが、
少々時間が掛かってようやく向かい合ってくれました。
父親は母親にプレゼントしたのかと長男に問いかけると、
長男は自慢げにお花をあげたと答えました。
次に父親が何て言われたのかと聞くと、
長男は「うれしいだったよ」と答えます。
そして、父親はこんな一言を口にしました。
長男の本音
「じゃあね、ママがたろうのプレゼントなんかいらない。こんなお花じゃなくて他のがいいって言ったらどんな気持ち?」
それを聞いてかなりのショックを受けた長男は顔全体を真っ赤にし、
涙を流しながらこう言いました。
「・・・(ショックを受けた感じで)いやだあ」
悲しそうに泣いてる長男を慰めるように、
頭を撫でて話を続けました。
「ママが毎日作ってくれるご飯はね、お前へのプレゼントなんだよ。たろうが喜んでくれると思って嬉しい気持ちで作ってるんだ。それは、お前がママのためにお花をつんでいるときの気持ちと同じだね」
小さくうなずいて自分のしていたことの意味を理解した長男に対し、
最後に父親はこう言いました。
「ママはね、お前のために一生懸命作ったプレゼントをいらないって言われて、毎日自分で捨てるんだよ。どんな気持ちかな」
長男は大きな声で泣き出し、ごめんなさいと言いました。
しかし、長男から思わぬ本音がこぼれました。
「ママといっしょにたべたかったもん。あちゅまれしてほしいだもん」
あちゅまれとは、お皿に散在しているご飯を、
スプーンでかき集めることなのだそうです。
次男が生まれる前は、
母親がよくこれをしてくれていたとのこと。
長男がご飯を食べない理由は、
母親と一緒に食べたかったからだったのです。
次男のことばかりを見ていた母親は、な
かなかゆっくり食べることができずにいました。
それでも長男はただただ、
ちゃんと母親と一緒にご飯を食べたかったのです。
それから母親は3人で一緒にご飯を食べるようになり、
長男は嬉しそうに母親の作ったご飯を、
全部食べては自慢するようになりました。
子供が大きくなるうち、
そばにいる事が当たり前になってしまいます。
そして子供にとって一番大切なことが、
親と一緒にいられることだという事実を、
忘れてしまいがちになってしまいます。
家族が本音で話し合うことの大切さを、
改めて教えてもらいました。