たった1人の家族を探して…
8月のある日、アメリカのジョージア州にあるシェルターの玄関前に1人の若いホームレスの男性が寝転んでいました。彼はただ、この場所が気に入って寝転んでいたわけではありませんでした。
スタッフが男性を起こして事情を聞くと、愛犬が失踪していたことがわかったのです。男性は愛犬と再会できることを願って必死にお金を集めてバスに乗り継ぎ、このシェルターにやってきたのでした。
彼の愛犬はこのシェルターに放浪犬として保護されていました。彼にとって、愛犬はこの世でたったひとりしかいない家族なのです。
「ホームレスに犬を返すことに理解を示さない人もいるけれど、家があっても犬のお世話ができない人はたくさんいるわ」シェルター広報のカレンさんはこのように語ります。ふたりの再会の瞬間を、動画にてご覧ください。
嬉しい再会
彼の愛犬「タタ」シェルターに保護されて2週間ほど過ごしていましたが、健康で幸せそうでした。その様子から見ても、タタは愛情に包まれて暮らしていたことがわかりました。
たとえ、ホームレスの飼っている犬だとしても、それだけでこの犬が不幸だということにはなりません。立派な里親を探すよりも、タタにとってもこの男性と一緒に暮らした方が幸せなのです。
男性とタタは、再会を喜び合いました。シェルターはこの男性に心を打たれ、返還の際にかかる費用を無しにしたり、今後何かあった時には手助けすることを約束したのです。
さらにシェルターは、地域のホームレスとそのペットをアシストするプログラムを立ち上げたのだそうです。このプログラムが、少しでも彼らの役になってくれれば良いですね。