ナシの命を救うために
生後5ヶ月のとある犬がペットショップで購入され、
飼い主さんのもとで育てられることになりました。
しかしその飼い主さんは、
思った以上に手のかかる犬だと感じ、
飼うことを諦めてシェルターに入れようと考えます。
日本のシェルターにおける動物の殺処分率は非常に高く、
シェルターに入った犬が、
後で新しい飼い主さんに引き取られるケースは珍しいそうです。
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この事情に詳しかったスタイリストのひろこさんは、
手放そうとする飼い主さんから犬を引き取ることで、
彼の命を守ろうと決意します。
ですが、
夫のロバート・ハミルトンさんがこれに反対。
他の飼い主さんを探す間、
犬に感情移入しないようにと忠告してきました。
そのため犬の名前も「ナシ(無し)」とつけましたが、
その後には意外な展開がありました。
心境の変化
ナシを飼うことについて、
かなり嫌がっていたハミルトンさんですが、
いつの間にか一番仲良くなっていました。
どこへ行くにもナシがついてきて、
相撲を見に行った際もやはり一緒に観戦しています。
また、ハミルトンさんは着物に関するデザイン業をしており、
仕事のためのスタジオを借りました。
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その場所はペット禁止だったのですが、
ハミルトンさんに懐いているナシはかまわずに部屋へ入ってきます。
そしてやはりと言うべきか、
ナシが吠える大きな声はよく響き、
大家さんのところまでしっかり届いていました。
大家さんが事情を聞くため、
ハミルトンさんのところへやってきます。
規則破りをしていたので、
怒られるものと思っていたのですが、
言われた言葉は予想外のものでした。
予想外の対応
実は、
大家さんは無類の犬好きでハミルトンさんに対し、
犬に会いたいと自分の希望を伝えます。
今までに何匹か犬を飼ってきた大家さんですが、
自身が高齢になったことで、
亡くなった後の犬たちを心配して、
もう犬を飼うことはしなくなったそうです。
ナシは知らない人に対する愛想があまり良くないのですが、
大家さんには会うなりすぐに懐きました。
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それからはナシに毎日会うため、
大家さんの方からハミルトンさんの部屋へ行くようになります。
これにはナシも大喜びで、
ふたりはもうお互いにとってかけがえない親友のようです。
追い出されるとおもっていたナシですが、
気付けば大家さんと友達になっていました。
飼うことを反対していた、
ハミルトンさんとも仲良くなったナシには、
何か特別な力が備わっているのかもしれませんね。