寒い春とウーラ
ある4月中旬のことです。
グリーンランド首都ヌークの路上で、
1匹の若い猫が住人に保護されました。
極寒の地であるグリーンランドの4月は、
まだ冬の寒さが続く季節とされます。
長い冬は野外で暮らしている動物たちにとって、
とても過酷な環境です。
運よく保護された猫は、
地元の保護施設『ディーレンズ・ヴェナー』
へとやってきました。
この猫は1歳ぐらいのメス猫で、
「ウーラ」と命名されました。
暖かく安全な場所の施設で、
ウーラは他の動物たちともすぐ仲良くなりました。
そんな社交的で愛嬌のあるウーラですがある日のこと、
スタッフが彼女の身体が変化していることに気が付きます。
そのため病院に行くことになりますが、
一体何が起こったのでしょう?
お腹の影
「私たちはウーラの変化に驚きました。大きくなっているのはお腹周りだけで、乳首が硬くなっていたのです。」
と施設代表の方は言いました。
そしてウーラがスタッフに連れられ、
動物病院でお腹の超音波検査を受けたところ、
診断機のスクリーンには、
赤ちゃんの影が映っていたのです!
少なくとも2匹の胎児が見えますね。
1歳という若いウーラが妊娠している事実に、
不意を突かれたような思いのスタッフさん達。
しかし、その驚きはウーラも同じだったようです。
この時スタッフの方が撮影した写真には、
驚いた顔のウーラが撮影されていました。
自分で映し出された映像を確認し、
スタッフにもの言いたげなウーラの驚いた顔。
驚きのウーラ
ウーラは妊娠したことに、
とても驚いたようですね。(笑)
この表情が面白かったと感じたスタッフが、
写真をSNSに投稿したところ、
世界中に拡散された
「驚きのウーラ」は人気者になりました。
多くの人々から、
保護活動への素敵なメッセージが届いたそうです。
そしてこの話題は、
ウーラの新しい家族を見つけるきっかけにもなったのです。
ウーラは先住猫とも仲良くなり、
出産までの日々を楽しく過ごしているそうです。
順調にいけば、
数日後にはお産が始まるとのこと。
初めてのお産でウーラには不安もあると思いますが、
持ち前の明るさで乗り切って欲しいですね。
子猫にも飼い主さんにも恵まれたウーラが、
素敵な母猫になる日が待ち遠しいですね。