トレーラーハウスの駐車場から、
寂しそうに鳴く子猫の声が聞こえました。
その声を聞いた家族は子猫を発見し、
ハウスの中に連れて行きます。
そしてご飯をあげようと与えてみるものの、
子猫はご飯に見向きもせず鳴き続けました。
子猫の扱いを知らない家族は困り果て、
多くの子猫を育てた経験のある女性に連絡を取ります。
連絡を受けた女性は夫と共に、
すぐに子猫の元へ駆けつけてくれました。
「子猫はかなり衰弱し、深刻な脱水症状に陥っていたのです。この状態では、命が危ないとすぐに感じました。」
と夫婦は語ります。
発見した家族に子猫を引き取ることを申し出た夫婦は、
駐車場周辺に母猫や兄弟がいないか確認しましたが、
見つけることはできませんでした。
さて、子猫はこの先一体どうなるのでしょう?
ご飯を拒否するマービス
夫婦は子猫に「マービス」と名付けます。
暖かな毛布に包まれたマービスでしたが、
依然として空腹なはずなのに食事を拒否しました。
子猫の扱いに慣れている夫婦は、
マービスを連れて帰る途中で電解質飲料を購入し、
水分補給を助ける気遣いも忘れませんでした。
しかし、それでも食事を全く口にしないのです。
「マービスは何も食べようとしませんでした。シリンジや哺乳瓶を拒否するのです。体重も僅かに90グラムしかなく、体温は低いままでした。」
と夫婦は語ります。
どうにか食べてもらいたいと、
高カロリーの栄養補助食品も用意しましたが、
まったく受けつけません。
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困り果てた夫婦でしたが、
奥様がある方法を思いついたのです。
それは子猫を引き取った翌日の、
午前3時頃のことでした。
奥様は以前にコウモリの保護施設で、
ゴムの原料になる液体である、
ラテックス成分の入っていないスポンジを使って、
コウモリの赤ちゃんにご飯を食べさせていた、
と言う話を思い出したのです。
実際にマービスにも、
小さくちぎって食べ物を染み込ませたスポンジを口に運ぶと、
マービスはついにご飯を食べてくれたとのこと。
それから、マービスの体重は徐々に増えていきました。
マービスのその後
しかしその後、目の状態に異変を感じて病院に連れていくと、
上気道感染症と眼感染症の初期症状が発見されました。
その治療もしっかりと済ませられたマービスは、
優しい夫婦の手厚いお世話でスクスクと成長して行きました。
子猫のお世話は大変ですが、
幸せそうなマービスの姿を見ていると、
夫婦は心が温められるそうです。
生後2週間が過ぎ元気になったマービスは、
大好きな夫婦に甘えているそうです。
小さな命をあきらめなかったおかげで、
大きな幸せがこの家族に訪れたようですね。