高畑勲監督と火垂るの墓
日本アニメ界で尽力してきた高畑勲監督が、
2018年4月5日にこの世を去りました。
日本名作劇場のアニメ
『アルプスの少女ハイジ』『母をたずねて三千里』
『赤毛のアン』と言った多くの作品に携わり、
ジブリ作品にも貢献してきた故・高畑監督の代表作といえば、
『火垂るの墓』ではないでしょうか?
毎年のように終戦記念日頃になると、
テレビ放送されています。
作家の故・野坂昭如氏が、
神戸の大空襲の実体験から生み出された不屈の名作を、
故・高畑監督がアニメ化した作品です。
日本人なら誰もが見たことのある映画ポスターに、
あるメッセージが隠されていたことをご存知でしたか?
主人公の兄「清太」と妹「節子」が、
夏の草むらで美しいく飛び交う蛍の光の中で、
楽しそうに遊んでいる場面にはある秘密が隠されていたのです。
黒い影とB29
2人の兄妹がいる上空には、
黒い影があったのです。
この黒い影の正体は、
アメリカの大型戦略爆撃機“B29”です。
第二次世界大戦末期から、
本土空襲の主役として米軍が導入した戦闘機でした。
火垂るの墓のポスターのホタルが全て蛍じゃないという説をいま読んで、画像を解析してみたら本当だった。
知らなかったです…#火垂るの墓 pic.twitter.com/ZY9QVVhySb— コミナミナミナ (@comicloverhouse) April 13, 2018
日本人が「超空の要塞」として恐れていた“B29”は、
空から焼夷弾を投下させました。
対象物を火災に追い込むために投下された焼夷弾は、
親爆弾からいくつもの子爆弾が散開し、
その火がまるで「火の雨が降るように見えた」そうです。
その雨が夏の草原では蛍の光になり、
『火垂るの墓』とは「蛍」と「火垂る」を、
もじった表現だったのです。
隠されたメッセージ
『火垂るの墓』のポスター画像分析を行った、
Twitterユーザーのコミナミ・コミさんのツイートには、
万単位のリツイートや“いいね”が寄せられています。
あぁ、、B29が、、30年気づかぬままでした。
— aoharu7 (@aoharu75) April 13, 2018
そうか…だから「火垂る」なのか…
— シゼン(めんこい) (@Oq5DfmtF4t6Cv2H) April 14, 2018
故・高畑監督は自身も子供の頃に戦争を体験したことから、
『火垂るの墓』を通してメッセージを残したそうです。
まさかポスターにもこのような工夫がされているとは、
思いもしませんでした。
大人が引き起こした戦争に、
子供たちが巻き込まれている現実は、
今でも終わることなく続いています。
『火垂るの墓』に残されたメッセージが無駄にならないように、
私たち一人ひとりが意識しなければなりませんね。