卒業式にもいろいろあり、
高校の卒業式ともなれば進学や就職のために、
親元も離れる子供たちも多いはずです。
まだまだ完全とは言えませんが、
子供が巣立つ第一歩ともいえるでしょう。
親にとっては寂しい子供の巣立ち。
ある高校の卒業式にて、
『親から子へのサプライズエール』
が歌と共に送られたそうです。
親御さんからの素敵なサプライズが送られたのは、
『福井県立大野高等学校』の卒業式です。
親から子へ・・・
高校生活最後の行事、卒業式が始まりました。
卒業生は、全員緊張した面持ちで式に向かいます。
それぞれの思いが巡る中、
卒業証書授与も無事に終わりました。
式も終盤を迎え、
『仰げば尊し』と3年間歌った校歌を斉唱して、
何事も無く式が終わろうとしていた時、
リハーサルではなかったアナウンスが流れます。
「卒業生のみなさんは、後ろを向いて下さい!」
と、会場中に響きました。
卒業生たちが後ろを向くと、
そこにはある風景が映像で流されていたのです。
それは地元の美しい景色や、
歌を練習している親御さんの映像でした。
卒業生たちは、意味が分からずざわつきます。
間もなくメロディーが流れ、
親から旅立つ子供たちへの、
サプライズソングが始まりました。
この歌の詩は、
我が子を思う親御さんの気持ちに、
寄り添った内容となっています。
故郷は待っている
作詞を務めた日下慶太さんは、
旅立っていく高校生に
「いつかはここに帰ってきたい」
と思ってもらえるように、
耳に残る歌で町の魅力を表現したそうです。
卒業式の終了後、
生徒たちに感想を聞いてみたところ、
「大野に帰ってこようと思いました」
との返事が返ってきました。
サプライズメッセージは、
卒業生の心に届いたようですね。
また、
「歌を聴いて、改めて大野は自然に恵まれているしいい人ばかりだと思いました。いつか絶対戻ってきたい」
と語る卒業生もいました。
またこれから3年生になる生徒さんの中には、
お母さんに「来年歌って!」と言った方もいたようです。
故郷の思いを託したこの歌が、
これからも歌い継がれていくと良いですね。
卒業した生徒たちが、
自分の夢に向かって故郷に帰れないとしても、
いつでも待っていてくれる故郷があれば、
力強く生きていけることでしょう。