子供の臓器移植
『臓器移植』という医療行為があります。
人の死をもって病気で苦しんでいる人の命を救う臓器移植は、
ドナーカードか配布されるなど日本でも認識されてきました。
しかし、提供者が子供の場合はどうでしょうか?
まれに両親の勇断により臓器を提供するお子さんがいますが、
脳死状態のお子さんを前にしての決断は、
相当な覚悟があったと想像します。
そのような子供の臓器移植の中で、
子供が自ら提供者になることを決断した男の子がいました。
上の写真は手術室から運び出された男の子の遺体に、
深々と頭を下げて敬意を示している医師たちの姿です。
闘い続けた少年
9歳の頃にリャン君と言う名の少年は、
悪性腫瘍と診断されました。
その時から、病気と闘ってきたリャン君。
11歳になると病状は助かる見込みがないほど悪化し、
最後の時を待つばかりとなってしまいます。
リャンくんは、
自分でも死期が近いことを悟っているようでした。
そして、彼は最後の願いを口にします。
「自分の臓器を提供したい。」
後にリャン君が通っていた小学校の先生は、
「教科書に臓器提供の物語が載っていたので、それで知ったのでしょう」
と語っています。
そして自ら臓器提供を申し出たリャン君には、
将来の夢がありました。
リャン君の夢
リャン君は、医者になることが夢だったそうです。
臓器提供を待つ患者に対して、
提供者の数は世界中で圧倒的に不足しています。
まして、子供となると親が決断しなくてはなりません。
その覚悟は想像を絶します。
「医者になりたい、人の命を救いたい」
と願っていたリャン君。
最後までその思いを抱いていた息子の願いを、
ご家族は叶えることにしました。
涙ながらに決断をするお母さんの横顔に、
固い決心の思いが現れています。
自分のお子さんがリャン君のように臓器移植を望んだとしたら、
果たしてその意思を尊重することができるでしょうか?
おそらく尊重するどころか、
子供の死を受け入れられないと思います。
リャン君の願いと家族の決断、
この問題をご家族で話し合ってはいかがでしょうか?