気難しい猫
ヘイリーさんは、
「ジジ」という名の猫を飼っています。
彼はその気難しい性格から、
他の猫とよくケンカをしていました。
家の庭に他の猫が侵入しようものなら、
すぐケンカを売りにいくため、
誰とも仲良くできず友達もいません。
そんなジジに、
1匹の動物が歩み寄ってきました。
困惑したジジは、
その相手の頭に猫パンチを繰り出します。
しかしそんな攻撃を受けても、
相手は全く動じません。
決して誰にも心を開こうとしなかったジジは、
相手のそんな姿を見て彼を受け入れました。
それからのふたりは、
お互いを親友として認識するようになります。
初めての親友
気難しい性格な猫
「ジジ」にできた初めての親友。
それはアライグマでした。
ヘイリーさんはある日、
車を運転している道中で、
傷ついているアライグマを見つけます。
ひとまず自宅に連れ帰り、
家族全員で看病をしました。
徐々に元気を取り戻していったアライグマに、
ヘイリーさんは「ウィンストン」
という名前をつけて可愛がります。
しかし野生育ちのウィンストンは、
ヤンチャな一面をどんどん出してくるようになります。
ヘイリーさんは彼を自然に帰す計画を考え始めます。
その頃にウィンストンとジジは、
運命の出会いを果たしたのです。
2匹は花壇で仲良くお昼寝をしたり、
探検をしたりするなどいつも一緒に行動していました。
親友との思い出
しかし彼らの幸せな毎日は、
やがて終わりの時を迎えました。
高齢だったジジは初めての親友ができた日から数年後、
静かに虹の橋を渡って行きました。
ヘイリーさんたちは悲しみましたが、
それ以上にウィンストンは何ヶ月も、
悲しみに暮れる毎日を過ごしていたそうです。
しかし、
既に立派な大人へと成長していたウィンストンは、
親友とのお別れがきっかけとなったのか、
ヘイリーさんたちの家を離れて、
少しずつ自然へと戻りはじめます。
現在では月に1回ほどの頻度で庭に現れ、
新しい飼い猫たちと遊んでいるそうです。
二度と会えなくはなりましたが、
ウィンストンの心からジジとの思い出が、
消えることはないでしょう。
