子猫のテリーとジェリーは、
生まれてからたった2時間しか経っていない時に、
ゴミ捨て場で発見されました。
周りには母猫もいなかったため、
発見者は日頃から猫の保護や預かりをしている、
友人のケリーさんにこの子猫たちを託しました。
小さな子猫を育てるのは大変です。
数時間おきのミルクを与えたりと、
つきっきりの『育児』が欠かせません。
しかし、ケリーさんには頼もしい相棒がいます。
それは、スージーという名前のワンちゃんでした。
猫好きワンちゃん
ケリーさんの飼っている愛犬、
スージーはどういうわけか子猫が大好きなのです。
ケリーさんが連れてきた保護猫たちにも、
まるで母親のように子猫に接するのです。
保護から48時間後、
2匹は元気に鳴き始めました。
ある真夜中、
ジェリーに大声で起こされたケリーさんは、
ミルクを上げようと子猫のそばに行きました。
するとスージーが、
2匹のそばに寄り添っていたのです。
スージーは生まれたばかりの子猫が気になって、
ずっと子猫のそばで寝ていたようでした。
スージーは片時も2匹から目を離しません。
ケリーさんが見ていなくても子猫たちが動けば、
スージーが必ず彼女に知らせてくるのです。
まだ目も開いていない2匹の子猫が、
スージーには心配で仕方がないのでしょう。
子育て奮闘記
ケリーさんが子猫たちのミルクタイムに、
手を焼いている時がありました。
ケリーさんはこのように話します。
「ミルクをあげようとすると、暴れて脱糞するの。イライラしていたらスージーが軽蔑の目で私を見るの。気を取り直して、スージーが子猫たちを温めている間にまたミルクを用意すると、子猫はいい子でミルクを飲んでくれるの。」
スージーなしでは、
もう子猫の世話は考えられないようですね。
スージーは子猫を守ることに必死でした。
スージーにはケーシーさんの愛猫で、
クシという以前からの親友がいました。
そのクシと子猫を対面させようとすると、
スージーは断固として阻止するのです。
犬の保母さん
寝ている時も子猫のそばでクシの声がすると、
夢中でクシを追い払います。
まるでスージーは本当のお母さんのように、
子猫の育児に没頭するのでした。
スージーのおかげですくすく育った子猫たちは、
やがて新しい飼い主さんのお家に旅立って行きました。
名前もテリーは「ビーニー」に、
ジェリーは「セシル」と新しい名前をもらい、
シアトルで新しい生活を始めたそうです。
今は美しく成長した2匹ですが、
育ての親のスージーは決して忘れないでしょう。
ケリーさんのお家には、
今も続々と新入りの子猫たちがやってきます。
スージーは寂しがる暇もないほど、
新しい子猫たちの世話に忙しくしていることでしょう。