万引き
どのような理由があろうと、「万引き」は許されない犯罪行為の1つです。
国内だけでも、万引きに関する注意書きを店内の至る所で見かけます。
カナダで万引き犯に対し、
とある警察官が起こした行動に驚きや称賛の声があがりました。
ニラン・ジェイエナサンさんは、カナダのトロント警察署に勤めています。
店から「万引き犯を捕まえた」という通報を受けて駆け付けると、
そこにいたのは18歳の若者でした。
彼の盗んだ商品は、ワイシャツとネクタイと靴下です。
ニランさんはこれらの商品を見て、
「今まで見てきた万引き犯と少し違う」と感じました。
この後万引きの理由を聞いたニランさんは、なんと彼を逮捕しなかったのです。
万引きの理由
ニランさんがなぜ万引きしたのかを聞くと、青年はその理由を話し始めました。
彼曰く、「就職の面接に着ていく服がなかった」との事です。
他にも父親が病気を患ってしまい、働けなくなって生活が苦しいことを告白したのです。
自身が犯した過ちを認め、後悔している彼の姿を見てニランさんはこう思います。
「万引きはどんな事情があろうともすべきことではない。しかし逮捕することで、若者は本当に正されるだろうか?もっと別の形があるのではないのか?」
ニランさんは同僚と相談したうえで、青年が万引きした店へ戻りました。
ニランさんは青年が盗った服をその場で全て購入し、なんと彼にそのまま手渡したのです。
心優しい警察官
ニランさんの行動については、警察署内で議論はされたそうですが、
全員が彼の行いを支持したそうです。
「私たちの仕事は人々を助けることです。人々の言葉に耳を傾け、よりよい形で青年を導こうとした彼を私たちは誇りに思います」
その後、青年はニランさんにもらった服で面接に臨み、見事に採用されたそうです。
ニランさんはその話を聞き、「嬉しいね」と顔をほころばせました。
心の優しい警察官がしてくれた行動を、青年はきっと忘れないでしょう。