イギリスの画家で作家でもあるジャッキー・モリスさんが、
著書『Queen Of The Sky』の中で描いた、
美しいハヤブサについてのエピソードを語りました。
「私がこの本を書こうと思ったきっかけは、友人フィンからの1本の電話でした。」
ジャッキーさんはそう言って話を始めました。
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「キッチンに面白いものがあるから見においで」
というフィンさんの誘いで彼女の家を訪ねてみると、
なんと一羽のハヤブサがその家のキッチンにいたのです。
野生のハヤブサを間近で見られるチャンスは、そうあるものではありません。
ジャッキーさんはハヤブサの美しさに息を飲みました。
しかしハヤブサの体はボロボロで、かなり弱っていました。
傷ついたハヤブサ
ハヤブサはウエールズのペンブロークシャー海岸沖のラムゼイ島付近で、
海にはまって溺れていたところをフィンさんに助けられました。
フィンさんは、当初は2、3日ですぐに野生に戻そうと思っていたのですが、
空に離そうとしてもハヤブサはうまく飛び立つことができませんでした。
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フィンさんはハヤブサが健康を取り戻すまで、面倒を見ることにしました。
ジャッキーさんは、ハヤブサがフィンさんの元にいる間にたくさん写真を撮り、
絵を描きました。
厳しいトレーニング
それからの数ヶ月間、
ジャッキーさんにとってもフィンさんにとっても、
ハヤブサは生活の大きな部分を占めるようになりました。
冬の間ずっと鶏小屋で過ごしていたことから、
春になるとハヤブサの筋力を回復させるため、厳しいトレーニングを始めました。
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まだ弱々しいハヤブサは、このままでは自然界で生きていくことはできないからです。
毎日の厳しいトレーニングの中で、
フィンさんとハヤブサの間には絆が生まれていきました。
ジャッキーさんは頻繁にフィンさんのもとを訪れ、
この様子を記録し続けました。
再び大空へ
最初は紐をつけて訓練していましたが、
互いに信頼関係が生まれると、自由に飛び回らせることができるようになりました。
弱々しかった筋肉もだんだん逞しくなり、羽も立派になりました。
そしてついに、旅立ちを迎える時期が来たのです。
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そんな中ジャッキーさんは、
ハヤブサがキッチンの窓辺から大空へと巣立って行く姿を描きたい、
と思うようになりました。
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そして、この一羽のハヤブサとの出会いが素敵な本になりました。
傷ついた一羽のハヤブサが、人の愛によって再び大空へ戻って行く物語を描いたこの本は、
愛と友情を描いた本なのです。