90歳のおばあちゃん
お医者さんからガンであることを告げられた時、
90歳のノーマさんははっきりと言いました。
「私は90歳よ。これから旅に出るわ。化学的な治療を受けてもあと何年生きられるか分からない。なら死ぬまで楽しんで生きたいわ。」
彼女は息子のティムさんとその奥様であるラミーさんと一緒に、
キャンピングカーで全米を回る旅に出かけました。
その旅には、ティムさん夫婦の愛犬もついていくことになりました。
8歳のプードル犬で、名前は「リンゴ」と言います。
ティムさんの奥様であるラミーさんは、このように話しています。
「リンゴは私たちの旅になくてはならない存在です。もしリンゴがいなければ、この旅は全く違うものになってしまっていたでしょうね。」
どんな場所へ行っても、リンゴはノーマさんの側でじっとしていました。
猫好きだったノーマさん
実はノーマさん、どちらかというと猫好きの人でした。
長く飼っていたペットも猫で、2年前に亡くなったばかりです。
しかしそんな猫派のノーマさんが、なぜかリンゴとは意気投合したようです。
乗り物が大好きなリンゴのお気に入りは、
ノーマさんの車いすに乗り運んでもらうことです。
「リンゴを車いすに乗せて歩いていた時、それを見た人たちはリンゴの足が不自由だと思ったようなの。『車いすのおかげで散歩ができて良かったね』という感じで見られたわ。そしてその後、リンゴがピョンと車いすから飛び降りたら近くに居た女性が、『歩けるのね!奇跡が起きたんだわ!』と大喜びしてくれたの。」
とノーマさんが話しています。
笑いの絶えない旅
リンゴのおかげで、ノーマさんの旅は笑いの絶えないものとなりました。
ティムさん夫妻がいない時は、
リンゴがノーマさんから離れることなくずっとそばにいてくれます。
ノーマさんも自分を守ってくれようとしている、
優しいリンゴと過ごす時間をとても楽しんでいます。
ノーマさんたちは、たまに自宅に帰って休憩の時間をとります。
そしてまたキャンピングカーで旅に出る、といったことを繰り返しています。
ガンであることを感じさせない明るくパワフルな性格のノーマさん。
生き生きとした表情をしていますね。
これからもずっとノーマさんの旅を応援しています。