ベイビーとルル
アメリカのマサチューセッツ州には「Don’t Forget Us Pet Us」という愛護団体があり、
盲目の牛である「ベイビー」とブタの「ルル」は、
そこに保護されてから8年一緒に過ごしていました。
盲目のベイビーにとってルルは、日常生活を送るうえでかけがえのない存在でした。
エサを食べる時や散歩をする時、眠りにつく時など、
ベイビーはいつもルルの後をついて歩いていたのです。
そんなベイビーとルルにある日、悲しい出来事が起こります。
ルルの死
ある日突然ベイビーにとって唯一の支えであり、
大切な友人のルルが亡くなってしまいました。
いつも側にいるはずのルルがいなくなってしまい、
ベイビーは当初混乱している様子だったそうです。
そしてルルはもう戻ってこないということに気が付くと、
ベイビーは餌を食べなくなり、いつも悲しい声を出すようになりました。
それからもずっとベイビーの元気が戻ることはなく、
ルルという光を失くしてしまったことで、
同じ場所をただぐるぐる回るだけの日々を送るようになったそうです。
施設の職員の方々も、そんなベイビーの悲しい姿を見て胸を痛めました。
生きがい
そんなある日、絶望していたベイビーを救うきっかけが訪れました。
それは1匹の子牛が、保護されて施設へやって来た時のこと。
ベイビーはその匂いをたよりに、子牛の側へと近寄っていきました。
これまでずっと元気の無かったベイビーが、
その時ルルが生きてた頃の元気な姿を見せたのです。
どうやら自分よりも小さな牛に触れたことで、
「自分が守ってあげないといけない」という感情を持ったようです。
それからベイビーは元気を取り戻し、子牛の母代わりとして新しい人生を歩き出しました。
今回、子牛を支えることで生きがいを見つけたベイビーを、
私たちも応援していきたいですね。