今回ご紹介するのは、2012年にネット上で公開された手紙です。
作者不明の母から娘へと宛てたものです。
そこには目を逸らしたくなる現実に直面した時、
どうやって受け止めるべきかが丁寧に綴られていました。
「私の可愛い娘へ。私が老いている事に気付いた時は、落ち着いて受け止めてね」
このような内容から始まるその手紙。
果たして母が伝えたかった内容とは?
昔を思い出して
「話をしている時に、私が同じ話を何回も繰り返したら“さっき同じ事言ったじゃない”なんて言って遮らず、ただ耳を傾けていて。幼い貴方が眠りに落ちるまで、私は幾夜も同じ物語を読み聞かせたわ。
私がお風呂に入りたくないと駄々をこねても、怒って私を責めないで。貴方が小さな女の子だった頃、言い訳をして逃げ回るあなたを追いかけてお風呂に入らせなければならなかった事を思い出して」
「新しいものに対して私が無知であることに気付いた時は、そんな目で見ないで、ゆっくり時間をかけて覚えさせて。覚えてるかしら、私が貴方ににたくさんの事を教えてあげたこと。正しい食べ方、お洋服の着方、髪のとかし方、そして毎日ぶつかる人生の壁との向き合いからまで、ね」
「私が老いている事に気付いた時には、落ち着いて受け止めてね。何より、私が直面にしている状態に理解しようとして欲しい」
「私が何を話していたか分からなくなってしまった時は、思い出す時間を頂戴。そして、もし思い出せなくても、心配したりイライラしたり、バカにしたりしないで。私にとって何よりも大切なことは貴方と一緒にいる事だということを分かってね」
今健やかに日々を過ごせているのは、
幼い頃に惜しみなく注いでくれた母の愛があってこそ。
その母が、確実に死に向かっている姿。
目を逸らしてはいけません。
いつまでも大切な子供
「私が年老いて、以前のように歩けなくなった時は、優しく手をとって。あなたが初めて歩いた時に、私がそうしたように」
「そんな日がきても、決して寂しいだなんて思いわないでね。私が最後の日を愛情に包まれながら迎えられるように、ただそばにいて。
共に過ごした時間、共に過ごす事が出来た幸せを、貴方に感謝しています。満面の笑みと、いつ何時も絶やす事のない貴方への愛とともに伝えさせて。
愛する、私の大切な娘へ」
最期まで母の愛が詰まった手紙。
もちろん十人十色、色々な家庭環境があると思います。
しかし今の貴方がここにいるのは、
幼い頃に愛情を注いでくれた人がいたからです。
そんな命の繋がりを感じさせる手紙。
娘さんにもこの手紙が届いていることを願わずにはいられません。