誰かからの手紙
イギリスで暮らすカップルは、ベアとテディという2匹の猫を飼っていました。
しかしある日、ベアが天国へ旅立ってしまいました。
飼い主であるカップルは、愛猫が突然死んでから悲しみに暮れる毎日です。
そんなカップルのもとに、テディが一通の手紙を届けてくれました。
その手紙は、外に遊びに行って帰ってきたテディの首輪に括り付けられていたのです。
飼い主さんへ。
私は、4号室に住んでいるものです。
そして、あなたの猫の友達です。2匹は毎日私の部屋に遊びに来るのに、ここ2週間大きい方の猫が着てくれません。
あの子に何かあったのでしょうか。
心配でなりません。彼は本当に可愛い猫で、私をいつも癒してくれました。
あの子が元気だと良いのですが…
手紙には、ベアを心配するメッセージが綴られていました。
毎日遊びに来てくれていた猫が突然遊びに来なくなったので心配になって、
テディにこの手紙を託したのでしょう。
思い出
手紙の差出人である4号室の住人に、
カップルはベアが天国へと旅立ったことを伝える手紙を書きました。
その手紙には、メールアドレスも書き添えておきました。
すると、その手紙を読んだ4号室の住人からメールが届きました。
ベアとテディの友達として手紙を送ってくれた4号室の住人は、
台湾からの交換留学生の女性でした。
そして、そのメールにはベアと彼女の思い出と、
彼女の部屋で遊ぶベアとテディの写真が添えられていました。
彼女の思い出話の中には、彼女が授業で行うプレゼンテーションの練習に、
ベアとテディにも付き合ってもらった話や、
ホームシックになっていた時にこの2匹に癒されたといった話が綴られていました。
ベアの友達からのメールにカップルは、メールの内容にとても感動しました。
ベアが私たち以外の人も幸せにしていたことに、誇りを感じたと語っています。
ベアはこれからもカップルの心の中、
そして台湾からの留学生の心の中に忘れられることなく生き続けるでしょう。