今回ご紹介するのは、小学校時代に執拗なイジメを受けていた男性Aさんのお話。
Aさんが小学校3年生の時、
「大人しい・無口・弱い」という理由から学校には友達がおらず、
毎日イジメを受けて泣きながら帰宅していたそうです。
しかしAさんのお父さんはとても厳しく、泣きながら帰ると慰めたりするどころか、
「やられたらやり返してこい!」と平手打ちをするほど。
そんな息子の姿を見かねたAさんのお母さんは、ある日息子にひとつの提案をしました。
強くなる
お母さんの提案は、「空手教室へ行こう」でした。
しかしAさんは断固拒否。
続けてお母さんは「ピアノ教室はどう?」と提案。
ピアノ教室なら…、とAさんはすぐに「行く!」と答えました。
そしてお母さんが連れて来たのはなんと「空手教室」。
中では筋肉質でヒゲを生やしてた怖そうな先生と、覇気漂う生徒の雰囲気…。
臆病なAさんはその時震えたそうです。
強面のヒゲの先生は、「お前?イジメられたのか?」と聞いてきました。
恐る恐る頷くと、「俺もだ!でも、空手をやれば強くなれるから、イジメられないぞ!」
と大きな声で笑ったのです。
その時の先生のことがとても印象に残っているのだとか。
それからAさんは強くなるべく、空手教室へ通い続けました。
先生は見かけによらず優しく強い先生だったので、Aさんも
「練習が楽しい!」と感じられるようになったそうです。
返り討ち
空手教室に友達もでき数ヶ月経ったある日、イジメっ子が全く怖くないことに気付き、
無視できるようになりました。
すると相手にせず無視し続けられたイジメっ子たちは痺れを切らして、
朝から10人くらいでAさんへ奇襲を掛けたのです。
罵倒から始まった奇襲ですが、Aさんは無視。
やがてイジメっこの1人が、Aさんの足を蹴ってきました。
その瞬間Aさんの中で何かが弾け、反撃開始!
片っ端から突きと蹴りでやり返し、イジメっ子達は一目散に逃げていきました。
それでも、追いかけて捕まえて殴るをしていると、やがて事態は大事になったそうです。
最後に守ってくれたのは…
団地の中での出来事だった為、
大人たちが止めに入ってくれてなんとかその場は治まりました。
そしてその夜、Aさんの家にはイジメっ子の親たちが20人ほど集まることに。
ひたすら謝るお母さんに対し、厳格なお父さんは「よくやった」とAさんを褒め、
ヒステリックに声をあげる親たちに対して厳しく説教を始めたのです。
お父さんのおかげで、「お互いに悪かった」という事で事態は収拾。
それ以降イジメはなくなったそうです。
そして道場の先生のもとへ行くと、こんなことを聞かれました。
「もう喧嘩するなよ。だってお前はイジメられて辛かっただろ?でも、ここでは友達が出来て楽しかっただろ?どっちが良い?」
Aさんは「友達がいて楽しい方!」と答えました。
「だったらもう喧嘩はするな。やられたらどんなに悲しくて辛い思いをして憎まれるのか、お前にはわかるはずだ。友達に憎まれたくないだろ?」
と先生は笑ったそうです。
最初は嫌だった空手のおかげで、人生が180度変わったAさん。
力だけではない強さが、人を変えてくれるのかもしれませんね。
出典:ゆるゆる倶楽部