ネコザメとの出会い
オーストラリアで暮らしている、
リック・アンダーソンさんの趣味はスキューバダイビングです。
アンダーソンさんがオーストラリアのポート・ジャクソン湾で、
そんな趣味のスキューバダイビングをしていた時のこと。
アンダーソンさんは体長15cmほどの、子どものネコザメと出会います。
そしてすぐ、小さくて愛嬌たっぷりな子ネコザメの虜になりました。
思わず触れてみると、
ネコザメの子供は優しく撫でてくれるアンダーソンさんの事を気に入ります。
初めて出会ったにもかかわらず、アンダーソンさんが帰ろうとすると、
ネコザメの子供はそれを嫌がるような素振りをみせたのだそうです。
別れを惜しみながらアンダーソンさんは家に帰りました。
ポート・ジャックソンネコザメ
アンダーソンさんに顔をすりすりさせているのは、
南オーストラリアの沿岸海域にのみ生息するポート・ジャックソンネコザメ。
夜行性で昼間は岩のすき間に隠れています。
とても大人しい性格なので海外ではペットとして人気がありますが、
日本ではあまりお目にかかれません。
後日、子ネコザメと出会った海域を泳いでいると、
あの懐っこかった子ネコザメの姿を発見しました。
なんとアンダーソンの事を覚えていたのです。
アンダーソンさんは最初、偶然の再会だと思っていました。
しかし後日、同じ海域を泳いでいたらまたあのネコザメがやって来ました。
かわいい親友
ネコザメとの偶然とはいいがたい邂逅を何度も果たしたアンダーソンは、
彼が自分に会いに来ていることを確信します。
その後、ネコザメは大人になっても、
変わることなくアンダーソンさんに会いにやってきます。
初めはネコザメがアンダーソンさんに会いに行っていましたが、
いまではアンダーソンさんが親友の元へ泳ぎにいくようになりました。
人間とサメという種別を超えた珍しくも心温まる友情ですね。