今回ご紹介する写真を撮影したハイジ・スピランさんは、
このように語っています。
「撮影中はいろいろな思いが込み上げてきて涙が溢れてきたけれど、記憶に残る美しいセッションだった」
アンバーさんは母のドレスを着た、
小さなノラちゃんの写真をハイジさんに送りきました。
それを見た時ハイジさんはノラちゃんのために、
何かをしてあげたいと考えたそうです。
それにはアンバーさんたっての願いもありました。
繋がっていたい…
ノラちゃんの母親であるアンバー・デイヴィスさんは、
ノラちゃんの他に2人の男の子を持つ3児の母でした。
彼女は2014年の2月、大変珍しいガンの1つである、
神経内分泌子宮頸がんの末期であると診断されました。
病気のことを知った時、
アンバーさんは愛娘のノラちゃんのため、
何か特別な思い出を残してあげたいと思いました。
そこで彼女は親しい友人である、
カメラマンのハイジさんにこんな相談をしました。
それは彼女が夫のデレクさんと結婚した場所で、
自分のウエディングドレスをノラちゃんに着せて、
写真撮影をしてもえないか、というものでした。
その後アンバーさんは放射線治療、化学療法、
脳外科手術など様々な治療を施されましたが、
2015年7月28日に27歳の若さで天国へと旅立ってしまいました。
そんな中でアンバーさんが一番したかったこと。
それは彼女がこの世を去った後も、
ノラちゃんと繋がっていると感じていたかったことでした。
お母さんのウエディングドレス
ノラちゃんはお母さんが着たレースのウエディングドレス、
さらにお母さんと同じ髪型、お母さんが結婚した場所で、
お祖母ちゃんや伯母ちゃんに見守られながら、
お母さんと同じポーズでお父さんと一緒に写真を撮りました。
それは、アンバーさんの最後の願いでした。
ハイジさんはアンバーさんの願いを忠実に実行することが、
彼女とノラちゃんのためになると信じてカメラを向けました。
「ノラは無邪気だけれどとても賢い。これから成長していく段階で母がいないことでたくさん辛いことがあると思う。でも、アンバーがガンと闘った時に見せた戦士のような強さ、精神を垣間見るときがある」
父親のデレクさんはノラちゃんに対して、こう思っています。
アンバーさんのお姉さんや、
伯母であるエイドリアン・ブラックウェルダーさんも
「ノラちゃんと二人の男の子はアンバーが望んだ通りのいい子たちです。アンバーは素晴らしい妻で母だった」
と思い出を語っています。
母はいなくても…
今伯母さんは教師の職を辞めて、
アンバーさんの3人の子どもたちの世話をしています。
アンバーさんはいつもいつも子どもたちを大切にしている人でした。
治療で苦しい時でさえ、
子どもたちのことを一番に心配している人でした。
そんなアンバーさんだから、
伯母さんとお父さんの愛情を受けてすくすくと育っている、
ノラちゃん、レイド君、ノア君の3人の子どもたちの笑顔に、
ホッとしていることでしょう。
アンバーさんはノラちゃんの写真を、
手に取ってみることはできませんでしたが、
天国で微笑みながら子供たちを見守っていることでしょう。