「病は気から」という言葉がありますが、心が弱っているとただの風邪でも重病になってしまいます。その病気が命に関わる病気であればなおのこと。
病気の苦しみと落ち込んでいく気持ちと戦うのは、並大抵のことではありません。そんな病に苦しんでいる人に、少しでも救いになるようにと『アニマルセラピー』と呼ばれる手法があります。
アニマルセラピーとは、動物との触れ合いでストレス軽減させ自信をもたせる治療方法です。その中で、今回ご紹介する猫の名前は「ドニー」です。
のん気で頑張り屋のドニーは、セラピー猫として活躍しているとのこと。ドニーがセラピー猫になるまでに、この子自身も大きな障害を乗り越えてきました。
盲目の猫
ドニーは子猫の頃、駐車場で衰弱した状態で保護されました。ニューヨークの保護団体による献身的な介護より元気になりましたが、盲目で機能しない眼球は摘出することになったのです。
手術後、バランス感覚に支障をきたす小脳障害であることも判明。盲目でふらつくドニーをボランティアスタッフが面倒を見ていましたが、素敵な里親さんと運命的に出会うことができました。
2016年3月頃、スーザン・スミスさんはインスタグラムでドニーを見つけます。ひと目で彼のことが気に入り、ご主人に相談して引き取ることを決めました。スーザンさんは転びながらも、すぐに立ち上がるドニーの姿に心を打たれます。
ドニーは、自分の障害を特別な事とは思っていないようでした。生きることに前向きなドニー、さらに会った人を和やかにする性格から、スーザンさんはセラピー猫にしてみることにしたのです。
寄り添う猫
スーザンさんのお母さんは、肺癌で入院をしていました。お母さんを勇気づけるために、ドニーを定期的に連れて行ったのです。ドニーはお母さんの上で、まるで別猫のように動かなくなりました。
その温もりで、お母さんを励ましているかのようです。お母さんの癌は進行の早いものでしたが結果的に縮小し、奇跡的に克服したそうです。
ドニーが温もりで勇気を与え、彼女は病気に打ち勝つことが出来ました。現在ドニーは、痴呆症を患っている患者さんの元を訪れています。
ドニーは自分の役割を理解しているようで、セラピー猫として働いているそうです。自分も障害を抱えながら前向きに生きるドニーは、誰よりも患者さんに寄り添える存在なのかも知れません。これからも、多くの人を助けていくのでしょうね。