自分よりも弱い動物たちに、溜まったストレスを吐き出す虐待行為が後を絶ちません。特に猫は犬よりも小さく身近にいるので、運の悪い子は心無い人間から酷い目にあわされています。
体の一部を傷つけられ心を閉ざした猫たちは、人間を敵視するようになります。そのため、捕獲されて殺処分になる子も多いとのこと。
アメリカのウィスコンシン州グリーンベイに、虐待を受けた猫を保護する施設『Safe Haven Pet Sanctuary』があります。ここは、「身体的・精神的障害を持つ猫を救助し、ゲージレス、殺処分をしない」を目的としたシェルターです。
このシェルターには、毎日訪れる老人がいました。彼の名前はテリーさんです。テリーさんは昼寝をするために、ここを訪れているのではありません。ある目的で毎日訪れているのですが、その目的とは何でしょう?
猫たちのために
6ヶ月前、テリーさんは傷ついた猫たちを保護しているシェルターの存在を知りました。ゲージレスではない生活環境なので、少しでも猫たちに喜んでもらおうと自前のブラシをもって訪問するようになりました。
シェルターの創立者であるエリザベスさんの話では、ある日ブラシを持参したテリーさんが現れたそうです。そして、「猫たちのブラッシングをさせて欲しい」とお願いに来ました。それから、毎日訪れるようになったのです。
自身ではペットを飼っていないテリーさんですが、動物が大好きな彼には何か癒しの力があるようで、一番神経質な猫でさえ穏やかになるそうです。毎日通うテリーさんはすべての猫にブラッシングをし、彼らの好き嫌いも理解しているとのこと。
そんなテリーさんは、ある日「他にも出来る事はないかな?」と聞いてきたそうです。そして現在テリーさんは、正式なボランティアスタッフになりました。
お昼寝スタッフ
猫たちに安らぎを与えるテリーさんですが、ブラッシングをしていると猫と一緒に眠ってしまうそうです。(笑)テリーさんがシェルターに来るとすぐブラッシングを始め、みんなにオヤツをあげます。
そして猫たちとソファーで遊んでいるうちに寝てしまうそうです。そして、目が覚めるとブラッシングをするという流れです。(笑)
テリーさんが猫たちと一緒に眠る姿を、シェルターのスタッフがネットに投稿しました。するとテリーさんの人柄はたちまち評判となり、中には詩を書く人も現れて『猫じいちゃん』と呼ばれるようになりました。
「確かに私はよく眠ってしまうけど、まさかこうなるとは思わなかったよ」と語るテリーさんですが、付けられた呼び名を気に入っているようです。心優しいテリーさんが一緒に寝てくれるだけで、猫たちの傷は癒されていくことでしょう。