90: 1:2008/01/12(土) 16:20:18.30 ID:XNskqwrT0
「あのー、降りられないんですけど。」
改札までたどり着いた男にそう伝える。
聞こえないのか聞いてないのか聞く気がないのか、
男はこっちも向かずに自分のポケットをまさぐっている。
「乗り過ごしたせいで出られないんですよ、お金持ってないんで!」
ちょっと荒げた声で男に詰め寄ると、ハッとした表情で、
「す、いまぜん、これ、使ってくだざい」
男は探り当てた定期を俺に差し出してきた。
「俺がこれ使っちゃったら、そっちが出られないじゃないですか。」
「んーーー………」
相変わらず酔ってて理解ができていない。
「これ返しますから、清算できるお金だけください。千円でいいんで。」
93: 名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/01/12(土) 16:23:51.19 ID:rPTZSLY1O
このスレ見ながら納豆ご飯食ってる俺は異端
96: 1:2008/01/12(土) 16:25:57.14 ID:XNskqwrT0
「千円、千円、せんえん……」
男は再び自分のポケットをまさぐりだして、財布を取り出した。
「はい、はい、大切に、使ってぐださい。」
うるせー。余計なお世話だっ。
清算を済ませて外にでた。
年末だというのに散々な日だった。
「うー寒ッ!!」
ものすごい冷え込み。歩きたくねえ…。
まてよ、あの様子ならタクシー代ぐらい出してくれるかも。俺は思った。
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