みんなが使うエスカレーター。
多くのショッピングモールや駅内に設置されており、
みなさんも使ったことはありますよね?
そんな「みんなが知っているエスカレーター」、
みなさんはどうやって乗っていますか?
よく関東方面の地域では左側に立ち、
右側は追い越しできるように空け、
関西方面は逆の右側に立ち、
左側を追い越し出来るように空けている。
こんなことを聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、
実はそのこと自体が大きな間違いであることを知っている人は、
どれだけいるのでしょうか?
本来は何のため?
イラストをご覧頂くと一目瞭然ですが、
「どちら側に立ち、どちら側は追い越す」
といったルールではないのです。
本来エスカレーターとは、
階段を上るのが難しい人たちでも、
上の階や下の階へ行けるよう、
バリアフリーにするためのものです。
エスカレーターでは「歩く人のために右と左のどちらを空けておくべきか」が関西と関東では違うという話を昔から良く聞きますが、しかしそもそも転倒事故防止のため「エスカレータは歩かない」「手すりを持つ」が昨今の安全ルールとなっておりますし、左右どちらかの手すりしか使えない方もおられます。 pic.twitter.com/TZZiQPRKYn
— 株式会社石井マーク (@ishiimark_sign) 2016年9月26日
歩くときの負担を軽減するものであり、
歩く時間を短縮するためのものではないのです。
またエスカレーターのメーカーが
「追い越し禁止」を原則としており、
「エスカレーターで歩くのは危険ですので、手すりにつかまり、黄色いステップの内側へお乗りください」
といったアナウンスだって流れています。
エスカレーターの設計
社団法人日本エスカレーター協会の方は次のように述べています。
もともとエスカレーターは片側をあけないで乗るのが基本です。片側をあけ、急ぐ人が歩いて通るというのは自然に発生したもの。本来はステップの黄色い枠の中に立ち、必ず手すりを持つというのが正しい乗り方ですし、立ち止まって乗ることを前提に設計していますからね。
そこで日本エスカレーター協会、
日本民営鉄道協会などではエスカレーターでは歩かず、
片側を空けずに手すりにつかまる、
といった内容を呼びかけるためのポスターを共同で作成するなどし、
安全で正しい利用を訴えています。
設計上、
エスカレーターの勾配は30度と、
公共の階段よりも急です。
また公共の階段は1.4メートル以上の幅に対し、
エスカレーターの幅は1.1メートル以下。
2人並んでその場で立っていることを想定しているため、
追い越しは想定していないのがわかりますね。
周りの声と態度
正しいルールがあるのに、
「歩行禁止」を守っている姿をみなさんは見たことはありますか?
実際のところ、
「片側を空けておく」という姿が目立ちます。
「ラッシュは急ぎたいし、車内に早く乗り込みたい」
「正しい乗り方は知っているけど、後ろから片側空けろと注意された」
といった内容もチラホラあります。
ほんとこれ。特に手とか腕が麻痺してる人とかは、杖とか見た目で分かるものが無い場合もあるから、エスカレーターは歩かないもの。急いでるは理由にならない。 https://t.co/SYHxIBo5im
— めぐろむ (@killerrouge26) 2016年9月28日
これな!子供はママと手をとって乗るわけで2人並んじゃうんだよね。それを後ろから歩いてきた人に舌打ちされたりすると本当イラつく。それに危ないから歩かないようにと教えてるのに横を歩いて行かれると子供は真似しようとするし…なんとかならんのか。 https://t.co/Tlz8JkVQhl
— あいりん@D中心 (@happyairin522) 2016年9月27日
間違った使い方をしている人が、
正しい使い方をしている人に舌打ちをしたり大きな声を出したりと、
ルールを守っている人が、
肩身の狭い思いをしているのは事実です。
この舌打ちに耐えるのは、
とても勇気のいることだと思います。
そのためにもまずは、
自分自身がエスカレーターに乗る時は、
「歩行しない」というところから心がけるのも大切だと思います。
小さなものから始めることで、
少しずつ正しい常識が浸透していくといいですね。