木の陰から・・・
今回のお話の舞台はイギリスにある、
「The Big Cat Sanctuary」
と言う動物の保護施設です。
保護している動物は主にライオンやトラなど、
「ネコ科」に該当する動物です。
「The Big Cat Sanctuary」
に数ある檻の中から、
とても可愛らしい動物を発見しました。
目はまん丸で鼻は小さく、
ぷくっとしたヒゲ袋などはまぎれもなく
「猫」としての特徴を有しています。
しかしこの子は、
ただの猫ではないようです。
生息地はアフガニスタンやチベット、
モンゴルなどです。
砂漠や標高の高い山岳地帯などで暮らしており、
厳しい環境に適応できるタフな動物です。
そんな環境の中、
身を守るために被毛は長く、
フワフワになったとされています。
マヌルネコ
今回ご紹介している猫は、
「マヌルネコ」と言います。
普段私たちが見かけるのは
「イエネコ」と呼ばれる種族ですが、
顔の違いはあまりないですね。
長くてフワフワの被毛がペルシャ猫と似ているため、
以前まではペルシャ猫の原種と思われていました。
しかし研究が進んで現在では、
その認識は間違いだったと証明されています。
マヌルネコは乱獲されていた影響で、
生息数が減少しています。
乱獲の理由は、
被毛や内臓が薬になると言われているから。
現在は種の保存のため、
狩猟の規制や毛皮の取引の規制などが行われています。
イギリスだけでなく日本を始めとした世界各地で、
マヌルネコの繁殖が行われていますが、
もともと免疫力が弱い動物なので、
試みは難航しているそうです。
マヌルネコの威嚇行動
マヌルネコは外敵に対し、
威嚇行動も行います。
「片方の上唇を釣り上げ震わせて、大きな犬歯をむき出しにする」
という行動です。
この行動は皆さんもイエネコのものを、
見たことがあるのではないでしょうか?
例えば鳥などが猫に向かって行った際、
「カカカカカ!」
と言いながら上唇を震わせている行動は、
威嚇に相当します。
種類は違えど、どちらも猫なので、
やはり共通点は多いのかもしれません。
被毛の長い猫には、
ずんぐりむっくりした体型が多いように感じます。
しかしマヌルネコは野生の猫なので、
簡単に人に懐くようなことはしません。
野生だからと言うだけでなく、
厳しい環境を生き抜いてきたDNAが、
そうさせるのでしょう。
動物園を訪れた際は、
そんなマヌルネコを見てみるのも良いですね。