二児のパパ、オリラジ中田
お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」のボケ担当で大活躍中の中田敦彦さん。
最近は「perfect human」で切れきれのダンスを披露して注目を集めています。
慶応大学出身という事もあり、鋭く的を得た意見でバラエティーにも引っ張りだこ。
タレントの福田萌さんを奥様に持ち、二歳の娘を育てるパパでもあります。
そんな中田さんが、娘さんが1歳の時意識を変えた「夫の働き方」について語りました。
中田さんは芸人としては異例の週休1〜2日休みを主張していて、その道のりは簡単ではなかったようです。
中田さんの今の生活は朝必ず家族とご飯を食べ、仕事が終わり帰宅が早い日は子供とお風呂、
夕飯を食べたら週に2、3回は必ず子供を寝かしつけているとのこと。
育児と家事の配分はやはり奥様が圧倒的に多く、
いつまでも経験値の差を理由に奥様に頼れないという自覚はあったと中田さんは語ります。
研修生の気持ちで挑んでいるそうです。
以前までの意識
独身時代の中田さんは、週4回は同じ先輩とお酒を飲みにでかけ、朝まで飲んでいたのだとか。
今は決まった相手はおらず、誰かの誕生日や特別なイベントや同期、
学生時代の友人などとたまに飲む位にしているようです。
結婚1〜2年の間は休みなく働き続けていた中田さんは、
子供が生まれても相変わらず働き続けていてついに娘が1歳の時、
奥様のストレスが限界に訪れたと言います。
そう言われ、ワークライフバランス社代表の小室淑恵さんの記事を見せられたりしたそうです。
それまでの中田さんの奥様は託児所やママ友、
岩手に住む母親、色々な人の手を借りて子育てと仕事を両立していました。
安心して頼れる受け入れ先もあり、
自分がお金を稼げば託児所もより利用できる、妻は楽になると信じて疑わなかった中田さん。
しかし、奥様が求めていたのはそこではありませんでした。
目の前にいる夫の力
「子供を誰かに預けている後ろめたさ」と葛藤していたという奥様。
もう一人の親である夫に子供を任せる時に唯一、
「見ておいてね」と気兼ねなく仕事に行け、自分の自由な時間を全うできていたのです。
それに気付くのに中田さんは少なからず時間を要しました。
奥様の訴えを機に、マネージャーに週1日の休日交渉をする事に。
それは簡単なことではありませんでした。
中田さんの業界では休みを希望するなどご法度に近いとのこと。
冠番組やMCを持った大御所では無い限り、休日=仕事が空いた日が普通だからです。
自ら休みを希望すると、「何様だよ」「もうそんなご身分?」と反発を受けることになるのです
タレントのスケジュールを入れていく事務所体制も難関でした。
中田さんの事務所の場合はテレビ、劇場、営業、それぞれ違う部署の為に方針事情が違ったのです。
既にある体制にメスを入れ、納得してもらうにはかなりの調整が必要でした。
奥様のSOSが出てから中田さんが週1日の休日を実現するまでには、半年の月日がかかりました。
中田さんは仕事の話を頂いても何でも引き受けず、心を鬼にして精査。
休みを確保するのは簡単ではないと語ります。
このジレンマは、芸能界固有のことだと思うかもしれませんが…。
会社員の男性も同じ壁にぶつかっていることが最近分かったと言います。
既婚者男性の持つ悩み…!
中田さんの奥様が仲良くしているママ友とは家族ぐるみの付き合いで、
旦那さん同士で話す機会があるようです。
ある夫Sさんは嘆いていたそうです。
大手外資系企業で働くSさんは、平均的同世代男性より稼ぎが良い代わりにハードワーク。
朝から晩までみっちり働き、休みは無いに等しい。
仕事のストレスも少なくなく、
それに耐えつつ空き時間や僅かな休日には全て子育てに時間を費やしているとのこと。
Sさんとしてはこれ以上無いほど尽力している。
それにも関わらずSさんの奥様は、「家事と育児は全て私任せ!」 と不満を感じているというのです。
一体何が問題なのでしょうか?
今の30代ー40代男性と共にいる女性の抱える悩みは、 「夫が働きすぎ」ということだそうです。
よく稼ぎ、出世する。
それが良き夫であり、父親の勤めだと親を見て教わってきた男性の方々。
しかし、男性の役割分業はもはや古い価値観に変わりつつあります。
外で稼ぐだけでは、夫、父親の役割を果たしたと認めてもらえなくなったのです。
「よく稼ぎ、よく休む。」
これを両立し、初めて21世紀の良き旦那になれるのです。
男性にとっては、苦しい世の中に変わりつつあるのかも知れません。
お金や時間があるのは物凄く高度な事。
「本当の成功者でなくては有り得ない。だとしても僕は目指すべきだと思っている。」
と中田さんは語っています。
奥様方の言い分も究極的にはここにあるようです。
「休みをきちんと取り、家族と過ごす。その上であなたのポジションを崩さないレベルのパフォーマンスを仕事の時間にすればいいだけでしょう?」
野球に例えるならば
「ホームランを打とうと無闇やたらに振り回すのではなく、打席を減らして打率を維持せよ!」という事。
世代間の違い
また中田さんは、このようにも言っています。
「『仕事と家庭と2つの高みを目指すのではなく、仕事は緩やかにしていいから育児と家事をして欲しい』こう願う女性もいるでしょう。うちの妻の場合はそうとは言わない。『激烈に出世しろ』だそうです(笑)。期待されているから答えたいし、そんなケツを叩いてくれる妻が好き。妻の立場で考えると、不安定な職業である芸人と結婚するのはリスキーです。でも妻は選んでくれた。それは僕が仕事を頑張るひとつの励み。出世できるように精進したい。でも同時に休みは取る。ただしこの『正義』には明らかな世代差があります。『稼ぐけど休む』そういうスタンスを明確にする事で数多くの男性を敵に回しているとのこと。特に年上の方々、猛烈仕事マンからの反感がすごいそうです。普通の会社員でこのような考えを持てば、上司から白い目で見られる事がほとんどでしょう。」
「ゆとり世代」や「ワークライフバランス」を険悪している世代もいるでしょう。
上の世代からすれば、男も育児や家事をして当然という価値観の変化は、
自らのジェネレーションを否定されているように感じるもの。
だとしても中田さんは、
「週1日の休みは欲しい」 と言い続けるそうです。
同世代で出産したばかりのタレント、SHELLYさんとは番組でこんなことを話しました。
「男性だって同性の意識格差と戦っているんだ。それを、この世代代表として社会に知らしめないといけない。知らしめる事に意義がある!『何が家族だ何が休みだ、何が男が育児だ』というマッチョな考え方と戦っていくつもりだ。」
といったことを話し、お互いに賛同しました。
環境は自ら望まなくては変わらず、
こうした考えは一つの目標としてこれから持つべきものなのかもしれません。
そして女性もまた、そんな男性を支えていかなくてはならないような気がします。