父親と娘の関係
父親は年頃の娘さんから、
「うるさい」「面倒くさい」などと思われがちですよね。
とても悲しくなるかもしれませんが、これは致し方ないのかもしれません。
幼い時には「パパのお嫁さんになる♡」なんて可愛い事を言っていても、
成長と共に父親より母親の方が相談もしやすい相手となり、
圧倒的に父親は不利な存在になります。
母親に怒られてもそうはならないのに、
父親に怒られると「イラッ!」としてしまうのが、思春期というものなのでしょう。
それでも娘さんを愛する父親にとって、
年頃な女の子の交友関係や遊び方など、心配で気が気じゃないですよね。
当然、仲の良い父娘関係の方々もいらっしゃると思いますが、
ここでは年頃の娘に対しての教育について頭を悩ませ、
そして結果的にその気持ちが娘に届いたという素敵なエピソードをご紹介します。
「父さんと飲みに行こう。」
主人公となる娘さんは大人への階段を登り始め、
お酒も嗜むようになった年頃の女性です。
そんな彼女がある日、父親から誘われたのです。
「たまにはお父さんと飲みに行こう。何でも好きな物食べて何処でも連れて行ってやる 。チョットおしゃれしてこい」
彼女は面倒だと思いながらも、
夜の街には興味もあったので父親と出かけることにしました。
「今日はトコトン飲むぞ!もうダメって程飲め、お父さんが責任持つからな。アホみたいに飲もうぜ!」
父親の言葉に不安を感じつつ、夜の街へとくり出して行きます。
1軒目:父行きつけの串焼き屋
女将さんの、
「みっちゃん(父)が彼女連れて来ちゃったかと思ったよ~」
という一言で気を良くした父親は、
「2軒目から彼女だって事にしろよ!」
と完全に舞い上がった様子でお酒を飲みました。
そして次のお店へ…。
2軒目:父の行きつけのクラブ
指名した女性に「娘さんでしょ?」とアッサリ見破られるも、
これまた上機嫌となる父親。
「俺に似てるんだよなぁ…。目が似てるからなぁ…」
と要らぬ説明をし、嬉しそうに飲み続けます。
3軒目:父の行きつけの寿司屋
大将さんに、
「いいなぁ、娘と一緒に飲みに行くなんて幸せだねぇ。親父の夢だよなぁ」
などと言われ、またもやご満悦の様子。
「好きなもん喰えよ。たまにしか一緒に来ないんだから!」
そんな父親の一言に、彼女は
(初めてじゃん…、見栄張ったな)と思いつつ、お酒は進みます。
4軒目:父行きつけの居酒屋
この辺りで記憶がなくなります。
何を飲んだのかも、話の内容さえも覚えていません。
お前の量
そして極め付けに、5軒目は父親行きつけのスナック。
全く覚えていませんでした。
カウンターにつっぷしてダウン。
父親に背負われた彼女は一時的に意識を取り戻し、
「気持ちいいなぁ…。お父さんゴメンね、酔っ払っちゃった」と呟くと、
「いいよ。寝てろ」と父親が声をかけました。
そのまま深い眠りの中へ入って行った娘さん。
翌朝になって部屋のベッドで目覚めた彼女は、
父親と顔を合わせるのが気まずいと思いながらも、
リビングへと向かいました。
すると父親の姿はなく、母親に広告の裏に書いた手紙を渡されたのです。
「昨日は楽しかったな。また、行きたいよ。また一緒に行こうな。昨日飲んでグロッキーになった酒の量はわかるか?ビール2杯、チュウハイ5杯。それがお前の量だぞ。今度、誰かと飲みに行っても、その量の手前で帰ってこい。世の中はいい奴ばかりじゃない。騙してどっかに連れて行かれたら、お父さんは守ってやれないから。だから、お前の量を教えようと思ったんだ。必ず守ってくれよ。お父さん信じてるけどな…。お父さんより」
彼女は涙を堪えました。
「お父さんはずっと心配していた…。でもどういう風に伝えたらいいか悩んでた。縛ってもいけない。あの子は、そういう子だから。縛ったら帰らなくなる子だから…」
その母の言葉を聞いて、
彼女は父が自分を飲みに誘った『本当の意味』を知ったのです。
このような出来事があり、彼女はその後お酒で失敗する事なく、
人に騙される事も傷つく事もなく青春を謳歌できた、
と父親に感謝の気持を述べています。
娘を守るための教育
こちらのエピソードには、
「お父さんカッコよすぎ!」などといったコメントが多く寄せられました。
確かに頭ごなしに叱られるよりも、
自ら経験させる事の方が伝わりやすいですよね。
それが遊びたい盛りの娘さんなら尚更です。
子供というのは親の苦労を理解したつもりでいても、
結局のところ自らが親になるまでは理解できないものです。
娘の性格を分かった上で投げた父親からのボールは、
見事娘さんの心に届きました。
世の中には楽しい事ばかりではなく、危険も蔓延しています。
世に蔓延る危険から大切な娘を守るための教育は、
本人に伝わらなければ意味がありません。
今回のように、
父親の愛情と共に伝わるような教育方法を見つけ出すのは難しい事かもしれませんが、
世のお父さん方には娘さんの性格を理解したうえでの教育方法を探し出して、
それを娘に伝えていただきたいですね。