「海の犬」とも呼ばれているアザラシは、日本でも大人気の動物です。水族館での姿も可愛らしいですが、迷いアザラシが川に姿を現すと必ず命名され、人気者になりますね。
そして、カメラを持った方やエサを与えようとする人も現れて、小さな子供が名前を呼んでいる風景が目に浮かぶようです。可愛らしくて人気のあるアザラシですが、アザラシがどのように生活しているかご存知でしょうか?
アザラシは北極圏から南極まで、幅広い海域に生息する動物です。日本近海では、北海道を中心に5種類のアザラシが生息していますが、水族館でよくみられるアザラシは「ゴマフアザラシ」です。
アザラシは10属19種類の仲間がいますが、彼らの生活は意外に社会性が高いのです。それでは、さらに親しみを感じるアザラシのある一面をご紹介します。
アザラシとのダンス
アザラシは、集団で生活する動物です。犬のように、仲間意識や社会性も高いと言われています。アザラシの社会には託児所が存在しており、保母役のアザラシが母親の代わりに面倒を見るとのこと。
また、親を亡くした子アザラシの面倒も、仲間がみてくれるそうです。そんな社会性の強いアザラシと、ダンスを楽しんだ方がいました。イギリスの海洋カメラマン兼医師でもあるベン・バーヴィルさん。
ノーサンバーランドの沖にあるファーン諸島でダイビングを楽しんでいる時に、1匹の「ハイイロアザラシ」と出会いました。バーヴィルさんはアザラシと仲良くなり、1時間ほど水中でダンスを楽しんで別れたそうです。
それだけでも素晴らしい出来事ですが、2週間後にバーヴィルさんがその海に潜った時のことです。1匹のアザラシがバーヴィルさんに近づいて、熱烈なハグで歓迎したのです。
2週間後の再会
この海域には5,000匹ものアザラシが生息し、同じアザラシと再会するのは滅多にないそうです。「信じられないほど優しい生き物」と語るバーヴィルさん。
このアザラシは、友達の匂いを感じて近寄ってきたのでしょうか?一緒にダンスしてくれたバーヴィルさんが大好きなのですね。アザラシの友達は羨ましいですが、バーヴィルさんは次のように忠告しました。
「バクテリアから感染症を引き起こす可能性があるため、野生のアザラシに触れることは勧められません。熟練のダイバー以外は避けて下さい」そして、友達であるアザラシに対して次のように語りました。
「過去18年間、アザラシはいつも私に泳ぎ方を教えてくれました。アザラシにも感情があることを、決して忘れないで下さい。そして、美しい海洋生物たちに大きな敬意を払いましょう」
海洋生物を大切に思うバーヴィルさんの気持ちは、アザラシにも伝わっているようですね。海洋汚染のマイクロプラスチックが問題視される中、海に住んでいる仲間たちのためにも問題を解決していきたいですね。