地球上で今一番大きな卵を産む動物は、
ダチョウだとされています。
直径15センチ~17センチもある大きな卵で、
トンカチなどで叩かないと割れません。
しかし南アメリカのアルゼンチンで、
「直径91センチ」の卵が発見されたそうです。
91センチの黒い物体
アルゼンチンのブエノスアイレスの近くで、
アントニオ・ニーヴァスさんは小規模な農業を営んでいます。
ある日アントニオさんが敷地内の川近くに、
何か見慣れないものを見つけて近寄っていきました。
それは長さが約91センチもある、
黒くて石のように硬くて丸い物体です。
アントニオさんは驚きました。
そしてこう思ったのです。
「これは恐竜の卵に違いない!」
研究者が早速、卵の調査を開始。
アントニオさんの期待は外れ、
その卵は恐竜の卵にしては大きすぎると判断されました。
#Animal of the day:#Glyptodon, a #Xenarthra, went extinct 14,000 years ago & lived in #SouthAmercia.-by qNO pic.twitter.com/cGEhPGNsQs
— RADbugle (@RADbugle) 2014年10月5日
そして調査の結果、
この黒い卵は鮮新世後期~更新世後期の古代に生息していた、
「グリプトドン」という生き物の遺骸と判明しました。
この生物は約1万年前に絶滅していて、
恐竜同様氷河期を乗り越えられなかった、
全長2.5~3メートルにもなる大きな生物です。
見た目はアルマジロによく似ています。
素晴らしい保存状態
亀のように手足を隠すことが出来たのだとか。
また歯は齧歯(げっし)類のように鋭く、
硬い植物を食べていたようです。
恐竜の卵ではありませんでしたが、
アントニオさんは凄い発見をしました。
研究者の方々によると、
1万年以上も前の遺骸でありながら、
1,000以上の骨板で構成された甲羅の模様が、
はっきりと残っているという保存状態は、
とても素晴らしいそうです。
しかも、この遺骸は若いグリプトドンだとか。
それでこんなに光沢のある、
黒い色をしているのですね。
アントニオさんが期待していた、
恐竜の卵ではありませんでしたが、
「恐竜の卵かも!」という少年のような気持ちがなければ、
発見できなかったのではないでしょうか?
グリプトドンの遺骸や研究者にとっても、
発見者がアントニオさんでよかったですね。