ピットブルの里親
アメリカの保護施設では近年、
「ピットブル」の保護数が増えていることが問題になっています。
「人を襲う凶暴な犬」という間違ったイメージによって、
捨てられたり里親が決まらなかったりしてしまうのです。
また保護施設では野良犬も保護しており、犬種がわからない場合もあります。
時には「似ている」というだけでピットブルと表記されてしまい、
誰も引き取り手が現れないケースもあります。
ピットブルは他の犬種のワンちゃんに比べ、
里親に引き取られるまでに平均で3倍の時間がかかるという調査結果もあります。
そんなピットブルを救った保護施設が話題になっています。
犬種の表記
アリゾナ州のある動物保護施設でも、
犬種を見て新しい家族として迎え入れるかどうかを検討する人がほとんどでした。
そこでその施設のスタッフは犬種に関わらず、
多くのワンちゃんが新しい家族の候補になるようにと、
「犬種の表記」をなくしたのです。
代わりにニックネームや年齢のほか、性別や好物、
そしてワンちゃんが保護されるまでの人生をプロフィールとして公開しました。
その結果、今までなら素通りされていたピットブルの前にも、
人々が足を止めてくれるようになったのです。
施設のスタッフは、新しい家族を求めてこの施設に訪れる人たちには、
ワンちゃんの内面を見てほしいと考えてこの取り組みを始めました。
ワンちゃんの内面
この取り組みを行うようになってから、
この施設では以前よりも多くのワンちゃんが新しい家族と出会えるようになりました。
プロフィールは訪れる人たちにとても好評で、
とくにそれぞれのワンちゃんの生い立ちが多くの人の心を動かしたのです。
犬種というものは、人間が作ったラベルにすぎません。
本当に大切なのは、ワンちゃんそれぞれの内面です。
今後この保護施設の取り組みを、多くの施設が取り入れるようになってほしいですね。
そしてより多くのワンちゃんたちが、
新しい家族と巡り合えるようになるように祈るばかりです。