のんびりと木にぶら下がっているナマケモノは、
南アメリカ・中央アメリカの熱帯林に生息し、一生のほとんどを木で過ごします。
体長は約40~74cmありますが、1日8gの植物で生きていられるのだそうです。
かなり地球にやさしい動物ですね。
今回ご紹介する可愛らしいナマケモノの赤ちゃんは、「カーミー」と言います。
カーミーは森で保護されました。
そのカーミーを保護したサム・トゥルルさんは、
カーミーを自然に返すために試行錯誤していく中でナマケモノに魅了されます。
そして、自然界で暮らすナマケモノに、私たち人間が何をするべきか伝えてくれました。
ナマケモノの魅力
サムさんはナマケモノの魅力について、「他人のことを気にしないところよ」と語ります。
少しの葉っぱを食べ、太陽の下で風を浴びながらリラックスしているナマケモノに、
魅力を感じているサムさん。
のんびりしたイメージのナマケモノですが、
意外に好奇心旺盛で遊びが大好きなのだそうです。
ナマケモノを愛してやまないサムさんは、
2013年にコスタリカで野生のナマケモノを守る活動をする協会
『スロース・インスティテュート』を立ち上げました。
そしてサムさんは、世界に向けて野生のナマケモノの現状と注意点を発信しました。
人間がしている事
サムさんは次のように語ります。
「自然界のナマケモノが徐々に数を減らしている一番の原因は、私たち人間です。森林伐採や、観光客によって命を落としているのです。」
「業者が森からナマケモノを連れ出して、観光客からお金を取って撫でさせたり、写真を撮らせたりしています。そのナマケモノはストレスですぐに死んでしまいます。」
また森林伐採については、次のように話します。
「たくさんの野生動物が、危機に瀕しています。特にナマケモノは危険が迫っても、木から飛び降りることも走って逃げることも出来ない動物です。」
森林は伐採が進みナマケモノは住む場所を追われ、
しかも住んでいるエリアに車で乗り込んだり犬を連れて来たりしているそうです。
私たちにできる事
「彼らに近づかないこと」
これが、私たちがナマケモノを守るためにできる唯一の事です。
ナマケモノはとてもデリケートな動物で環境の変化などのストレスに弱く、
ごく限られた場所でしか生きることができません。
最後にサムさんからのお願いです。
「ナマケモノが住む地域に旅行しても、お金を払ってナマケモノと触れ合うようなツアーには絶対参加しないでください。野生のナマケモノに触れたり、近くで写真を撮らないでください。連れ帰ってペットにするなど、絶対に思わないでください!」
ナマケモノを愛するサムさんの強い思いを感じます。
確かにナマケモノの赤ちゃんは、とても可愛くて思わず抱きしめたくなりますが、
それは人間の勝手な気持ちです。
ナマケモノはそのようなことを望んでいません。
そっと遠くから見守りましょう。