『寂しい』と『淋しい』というよく使われている言葉。
辞書を引くと、読み仮名が「さびしい・さみしい」と書かれています。
それほど深く言葉の意味を掘り下げていない国語辞典では、
「表記…(淋しい)とも書く」と一緒にされています。
パソコンなどで入力してもどちらも表示されるようになっていますが、
どちらを選べば良いのでしょうか?
読み方について
『寂しい・淋しい』には「さびしい」「さみしい」という読み方があります。
最初から使われていたのは『さびしい』なのだとか。
古語の中には「さぶし」という言葉があり、平安時代に「さびし」と変化されました。
それから歳月を経て、『さみしい』という読みが作られたそうです。
「さみしい」は「さびしい」の変化形というわけです。
現在ではどちらを使っても良いようですが、
辞典を調べると常用漢字表記『寂しい』の読み方が「さびしい」とされており、
「さみしい」と読むことはなくなっているそうです。
漢字の違い
漢字の意味では、『寂しい』は常用漢字であり、公用・教科書・新聞で使われています。
漢字の「寂」にもさびしいという意味が含まれています。
また、この漢字は主に「客観的・様子を現わしている・景色」の場合に使用されています。
一方の『淋しい』は表外漢字であり、
「淋」という漢字には本来さびしいという意味は含まれていません。
水が大量に流れる様のことを現わしています。
この漢字は主に「主観的・悲しい・泣ける」など、
個人的・肉体的な悲しみの場合に使用されるそうです。
このように『寂しい・淋しい』という漢字だけでも難しそうですが、
少しずつ調べて行くと歴史も知ることができて面白いですね。
日本語は難しいですが、その奥には古代から受け継がれて来た人の思いがあるのです。
大切に使いたいものです。