アメリカのソルトレイクシティで、
2002年に冬季オリンピックが行われました。
この頃アメリカでは、
2001年に発生した同時多発テロの影響で、
全空港で厳戒態勢が敷かれるようになりました。
それに伴い国内外を問わず、
誰に対しても厳重な身体・荷物検査をするようになりました。
サーシャ・コーエンのタイツ
アメリカのフィギュアスケート選手である、
サーシャ・コーエンさんはその荷物検査をした際、
競技用のタイツをうっかり空港に置き忘れる、
という取り返しのつかないミスをしてしまいます。
テロの影響による厳戒態勢の中での手荷物検査。
カバンの中身を全部出してのチェックの後に、
タイツを置き忘れてしまっていたのです。
コーエン選手がそのことに気づいたのは、
なんと競技が始まる直前。
彼女は周りの選手に事情を説明し、
タイツを貸してほしいと頼みますが、
本番前でピリピリしている選手たちは、
まともに相手などしてくれません。
そんな中、
コーエン選手の頼みを快く聞き入れてくれたのが、
当時女子フィギュアスケート日本代表だった、
村主章枝(すぐりふみえ)選手だったのです。
村主章枝の神対応
村主選手も他の選手と同じく、
緊張してコーエン選手に気を配る余裕はなかったはず。
それでも村主選手はコーエン選手を気遣い、
タイツを貸して彼女の危機を救います。
演技を無事に終えて発表された競技の結果は、
サーシャ・コーエン選手が4位、
村主章枝選手が5位でした。
このエピソードは、
たとえ結果が1番の舞台であったとしても、
困っている人がいたら迷わず手を差し伸べる大切さを、
教えてくれているような気がしますね。